お坊さん投資家のメイン手法<リピート型トレードって?>

1.リピート型トレードってなんだ?

一定の値幅でトレードを繰り返す

 リピート型トレードとはその名の通り「繰り返しトレードをする」というのが由来です。
デイトレードやスキャルピングを行われている方も単一の市場や同じ銘柄、同じ投資対象において集中的にトレードを行うという意味では「リピート」と言えるかもしれません。しかし、ここでいうリピートとは投資対象だけでなく、買うタイミングや売るタイミングも一定にした上で完全にルールを設定した上で繰り返しトレードを行っていくというものです。
 日本ではFX会社のマネースクウェア社が特許を取得しスタートさせた「トラリピ」が先駆者として登場し、その後他社も同様のサービスを展開していますね。現在では投資対象がCFDなどへも発展しており、今後もこの手法のリピート型トレードはさらに進化していくのではないかと考えています。

リピート型トレードの基本形

 下のイメージ図をご覧ください。最近リピート型トレードは色々なアレンジが施されて複雑なように見えますが、基本形は非常にシンプルなものです。
注文(エントリー)の側面でみると、
買いを前提とする順張り:「上がったから買う、下がったから売る」等間隔にポジションを取る。
売りを前提とする逆張り:「上がったから売る、下がったから買う」等間隔にポジションを取るというものです。
これを自動的にシステム任せにもできます。人間がやるのは売買の設定のみ。
一方「手動トラリピ」という言葉も巷ではいわれているように、これらを全て自身で取引を行うことも可能です。
こうすることで実質的な手数料を削減することができます。

難平と違うの?

 皆さんは「難平(ナンピン)」という言葉を聞いたことがありますか?この言葉の定義は”取引で、思惑に反した相場の変動によって損が生じた場合に、買い増しまたは売り増しして損失を平均化し回復しようとすること” とあります。簡単に言うと逆張りでポジションを増やし続け、平均単価を引き下げていくという手法です。
 「難」は損のことを指し、それを「平均」することから、難平と書くようです。また、もう一つの意味として、資金の裏付けや見通しなく行なって大損をすることから、身の程知らず・愚か者という意味でも使われることがあるそうです。
 一見すると、このリピート型トレードも順張りでは価格の下落と共に買い建てが増えていくわけですから難平と似ているところがあるように見えます。ではこのリピート型トレードとの違いは何かというと、一番は出口戦略の違いでしょう。もちろん難平を展開した投資家も「反転して◎◎円になればどのポジションを売却して、、、」とストーリーを立てて取引を行うと思われますが、これらが古い昔から上手くいかない人が多いのでこのような呼び方になっているのでしょう。
 今回ご案内するリピート型トレードは最初からエントリーポイントと出口ポイントを明確化しておき、何より一番大切な資金管理も厳格に行うことを前提としています。この違いがこれら2つの違いでもあるといえるでしょう。

2.トレードは基本的に損大利小になってしまう

損大利小とは、言葉の通り「損失が大きくなり、利益が小さくなる状態」です。

10回トレードして勝率5割でも、1回の利益が20で5回トレード、1回の損失が30で5回トレードだった場合
「利益100-損失150= 計-50」となり、勝率5割なのに結局損していることに。
もう一つ別のトレードの例では10回のトレードのうち勝率8割でも、8回の利益が10、2回の損失が50だった場合、
「利益80-損失100 =計-20」となり、勝率は8割なのにこちらも損をしているということになります。

1回のトレードにおける利益よりも損失が上回ってしまうことを繰り返すことで損失が拡大してしまうという、
このような状態のことを「損大利小」といいます。

トレードで負けてしまう人の多くがこの罠にはまってしまいます。
なぜ【損大利小】になってしまうのか?
損大利小に陥ってしまうのは主に「メンタルが原因」です。

現在は様々な投資対象に対してテクニカル分析やファンダメンタルズ分析なども含め色々な戦略が存在します。
それらの戦略も大事ですが、トレードをする上ではメンタルも大変重要です。
一度エントリーと利確、損切に関して決めたルールを「きっとこうなるはずだ」「もう少し待ってみよう」
と考えて変更してしまうのです。実践されたことがない、もしくはトレード歴が浅い方は「そんなことあるの?」と
思われるかもしれませんが、実際に人間は損を回避する思考が備わっています。多くのトレーダーがわかっていてもできないこの罠にはまってしまうのです。

ですから、

▮決めたルールで取引を淡々と行い
▮想定と乖離した状態になれば速やかに損切を行う

という事が非常に大事になってきます。
リピート型トレードはこれを確実に行うべく全てルール化して自動で行うというものです。

3.リピート型トレードのメリットとデメリット

ではこのリピート型トレードのメリットとデメリットを整理していみます。
皆さんに合うかどうか、これらをチェックしたうえで検討してみましょう!

メリット① メンタルを左右されることがなく、安定的に取引できる
なんといってもメリットとして一番大きいのはこのメンタルへの影響でしょう。
決められたルールに基づいて機械的に、または自身でトレードを行うこととなりますが、やる事は淡々と値動きに沿って注文を繰り返すだけです。時間の経過と共に「チャリーン」と利益が増えていくわけです。
エントリーとエグジットポイントを気にしながらトレードすることがなくなりますので、平常心で安定的にトレードを行うことができます。

メリット② 時間を有効に使うことができる
皆さんの中にはトレードと言えば複数のチャートが出された画面が複数枚あるトレードルームで、昼夜を問わずその画面に張り付いてトレードするような光景をイメージされるかもしれません。同時に「トレードに時間をかければかけただけリターンが生まれる」と思っているかもしれません。
そのような形式で利益を上げられるかたももちろんいるのは事実ですが、このリピート型トレードは基本的に「暇」です。もちろんトレードする対象や銘柄数等でも変わってきますが、少なくとも一晩中画面とにらめっこという状況はありません。その分、ゆっくり投資対象を吟味したり、リピート型トレードの設定の変更や調整を検討できます。

メリット③ 損切りがない
このリピート型トレードは基本的に「損切り」はありません。別の言い方をすれば損切りはしません。
それじゃ損がどんどん膨らんでしまうじゃないか!と思われるかもしれませんが、逆の言い方をすれば、
・一定のレンジの中で値動きがある投資対象に
・上にも下にも大きくバンドウォークしても資金が困らないように

トレードの設定を行うのです。
この手法に限った事ではありませんが、一つの投資対象に目いっぱい金額を突っ込むのは破産への近道を歩むことにつながってしまいます。予め計画を立て、どんな不測の事態があっても破綻しない、むしろそのような環境で大きく利益を生めるようなセッティングをしておくことが肝要です。

以上のメリットとは逆にデメリットもありますのでしっかり整理しておきましょう。

デメリット① 一度の取引で大きな利益は得られない
一度に大きなロットを張って、値動きを伴って大きな利益をあげる手法ではありません。
エントリーポイントに投資対象の価格がハマればそこで小さなロットで入り、決まったポイントになればその小さなロットを反対売買し、それをコツコツと積み上げていくのがこの手法の大きなポイントです。
ですから短期間で一気に資産を倍にするなどという手法ではなく、資産の増加スピードは比較的ゆっくりです。

デメリット② 含み損を抱える
例えば買い建てで複数のロットを持つとした場合、価格が下がれば複数の指値が刺さりロットを持つことになります。出口は価格が反転して上昇した時になりますので、価格が一方的に下がるようなタイミングでは大きく含み損を抱えることになります。精神的にも負荷がかかることになりますが、「そういう手法だ」と割り切るしかありません。このような状態を受け入れづらく、短期間でトレードをクローズさせて日計りでトレードを行うのが好みの方はこの手法はマッチしないかもしれません。

デメリット③ 取引をするにあたり、することが少ない
先ほどのメリットで挙げた「時間を有効に使うことができる」と表裏一体の話になりますが、トレードにしっかり時間的に向き合いたいという方にはこの手法は少し退屈かもしれません。もちろん設定に関する考察やデータ収集、周辺知識、タイムリーな相場データや地政学情報などの収集には時間を使うかもしれませんが、この手法に要する時間はかなり短いものになります。これをデメリットととらえる方もいるかもしれませんので挙げさせていただきました。

4.リピート型トレードで気を付けるべきポイント

リピート型トレードで一番大切なことは「資金管理」です。

利益を積み上げていくため、買いロットを進めていったと仮定すると、
投資対象の値が下がれば下がるほど保有ロットが増え、それぞれの含み損が増えていくことになります。

よって、投資対象に対して、
① どのくらいの期間で
② どのくらいの利益を得たいのか

そのためには、
③ どのくらいの最大ロットを抱えることができて
④ どのくらいの含み損を抱える可能性があるのか

をしっかりシミュレーションしておくことが必要です。

そして、この手法でもう一つ大切なのはボラティリティです。
ボラティリティとは投資対象の価格変動幅のことです。
要は値動きが無いとリピート(買いで入り売りで利益を確定)ができないという事になります。
その投資対象がどれだけ値動きがあるのかを直近だけでなく、ある程度の期間での履歴も
確認しておくようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたか?私が様々な取引手法を試し、試行錯誤の末に辿り着いたこの「リピート型トレード」について、今回は基本的なことを説明させていただきました。メリットもありますが、それぞれのスタイルに照らし合わせるとデメリットととらえる部分もあると思いますので是非じっくりご検討されてみてください。別の記事では具体的な投資対象やトレード方法なども説明していますので是非ご覧になってみてくださいね!

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この記事を書いた人

僧侶だけでは妻子を養えず投資をしています。MARCH院卒→JTC→僧侶。
遊びと浪費と借金の20代→貯金ほぼ0の30歳→10年で投資用資産2千万円台!家計合算の総資産約4千万円。最新の高配当中心の日本株年間配当額は約67万円。良い時は驕らず、悪い時は腐らず。生きる上で大切なことは投資から学びました。

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