明るく前向きに生きるための8つの実践法

人はどんな時でも大なり小なり悩みを持ちます。僧侶をしている私も悩みを持っています。これは様々な動物の中でも脳が発達している人間だけのようですね。
その悩みにどのように向き合えばいいのか色々な考え方や意見がありますが、今日は仏教の根底にもある「八正道」という考え方をご紹介したいと思います。日々悩んでいることがある方は、是非参考になさってみてください!

目次

1. 四諦八正道とは
2. 八正道の具体的な中身は?
3. 八正道をどのように生活にいかし悩みと付き合っていくか

1.四諦八正道とは

 皆さん、普段仏教に関わらない方でも「煩悩(ぼんのう)」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
大みそかに除夜の鐘をつくのは人々の悩みや苦しみをとるためと言われています。そう、煩悩を取り払うため百八回つくのも数字としての根拠があるからです。
 さて、仏教を開いたお釈迦様は人は生まれながらに悩み、そして苦しみ続ける存在であると説いています。そしてそのままに話をするのではなく、具体的な解決策を示してくださっています。それが「四諦八正道」です。
 まずは四諦から説明しましょう。下の説明図をご覧ください。今回は主役になる話ではないので詳細の説明は割愛しますがすごく簡単に説明すると、「人間は生まれながらに苦しむ生き物なんだよ」「その悩みや苦しみである煩悩を減らすことが大事だよ」という事を言っています。ここは悩んだことが少なからずある皆様ではご理解いただけるかなと思います。

 続いてがその悩みや苦しみを減らすためにはどうしたらいいか、その具体的な方法を記した八正道です。これは宗派によって少し解釈が違う部分もありますが、最終的な目標(ゴール)は一緒だと思います。
 人間がそもそもどのような存在なのかを仏教の視点から説明します(ちょっとネガティブな立ち位置で見ています)と、人間は根本的に自分自身を過大評価し、不平・不足・不満などの苦の種を自ら作り上げていく生き物です。
 また、様々な環境の違いや考え方の違いから各々の考え方も偏りが発生し、ものの見方に偏見や差別のようなものが発生してしまいます。このように差別の見方にも偏(かたよ)らず、平等の見方にも偏らない、両者を総合したとらえ方が本当の「正しい」見方やとらえ方を説いたものが八正道です。この考えをまとめた考え方を仏教では「中道」といいますが、これは一方に片寄らない、ちょうど真ん中という意味ではなく、その時々の真理の条件・立場に合った最善の方法の見方や考え方という事です。では続いて八正道の具体的な中身を見ていきましょう。

2. 八正道の具体的な中身は?

悩みや苦しみを減らすために実践せよ、というお釈迦様の教えです。では具体的に八正道の具体的な中身を見ていきましょう。人がいだく悩みや迷い、これを具体的な以下行動をすることでどんな効果が出るのか、また効果を出せるのか、皆さまも考えてみながら読み進めていってみてください。

①「正見(しょうけん)」
 この教えの根幹をなすものです。物事を正しく見ること。正しく、というのはここでは先入観や偏った見方をせず、物事をありのままに見つめるという意味です。 以下②-⑧に関わる部分ですので、例題を出して少し詳しくご説明しましょう。
 ここで一つクイズです。上から見ると円形、横から見ると三角形に見える立体は何でしょうか?
数学の図形が得意な人には簡単かもしれませんが、答えは円錐です。
もし、あなたがこの円錐を真上から、もしくは真横からしか見ていなければ「丸だ」「三角だ」と思い込んでしまうかもしれません。物事を見ていく時には自分の立ち位置(視点)によってさまざまに見えてくるものです。自分の見方や考え方、経験にとらわれてしまうと自分が一方的に見ていることを忘れてしまうものですから、正見というメガネをかけて見ることが大切です。柔軟な頭を持ちつつ、客観的な意見と共に自らの考えを作り上げていくことが重要です。

②「正思(しょうし)」
正見(物事を正しく見ること)によってえた情報を、しっかりと深く正しく考えるというもの。①と②はセットでご理解いただいて大丈夫です。

③「正語(しょうご)」
これは正見によって正しい言葉を語ることです。ウソをついたり、無駄なおしゃべりをしたり、他人を傷つけることは言わないようにするという意味です。  

④ そして4つ目は「正業(しょうごう)」
正見によって正しい行いをすること。具体的には、いのちある生きものを殺したり、他人のモノを盗んだり、みだらな行為などをしないことですね。

⑤ 八正道の5つ目は「正命(しょうみょう)」
正見によって、正しくて健全な生活を送ること。現代社会でいけば、社会貢献を前提とした労働の対価として得た金銭で、衣・食・住の糧を得ることです。  

⑥「正精進(しょうしょうじん)」
これは正見によって正しい努力を続けることです。悪い行ないは止めて、善い行ないに改める。そして、これまでに実行してきた善い行ないは、ますます励むようにするという意味です。

⑦ 7つ目は「正念(しょうねん)」
これまでの6つの実践にもとづいて得られた考えを正しく心にとどめる。真実への思いを深めて専念することです。

⑧ 最後は「正定(しょうじよう)」
正見や正念に即して、正しい瞑想を行なうことです。定とは精神集中する瞑想のことで、禅定のことを言います。

ここは宗派によっても少し解釈が異なっています。7つめと8つ目はちょっと説明が難しいところもあります。
やや漠然とした部分もありますが、この8つの行いを行うことで得られるとされる解釈についてです。
お釈迦様が直接弟子に言ったかもわからないのですが、いずれにしても実践すれば「苦しみが減る」「自身の成長につながる」という点では共通しているんです。 私はこの八つの正しい行ないを実践することで、苦を減らし自己成長へとつなげる、知恵を磨き、心を安らかにするという考えが一番しっくりきます。重要なのは自分自身を見つめなおすという事だと思っています^^
 日々の生活で生まれる悩みは不満に関して、他責にするのは簡単ですが、自分に何かできたことがあったのではないか、今後何かできるのではないか、と考えるのです。 全部を一気にやる、というのは難しい事ですし、どれか1つでもピンときたら、皆さまご自身のお考えに基づいて実践されるとよいでしょう。 この八正道は「それぞれが関連付けられる」とされています。どれか一つを実践し始めると、次々にそれ以外の正道を実践するようになる、とされています。

3.八正道をどのように生活にいかし悩みと付き合っていくか

具体的な八正道についてみてきました。ではこれをどのように生活に活かせばいいのか。
それは、人間がいだくその悩みや迷い、これを人生の成長の糧とするということです。


人は悩みを抱えつつもそれを乗り越えられる能力を持っています。その大きなパワーとなるのが成長を成し遂げることでで得られる満足感、幸せです。本来あるべき自分を確立していく過程で人は成長し、同時に悩みも薄らいでいくのです。具体的な上記8つの行いながら、小さくてもいいので日々の暮らしの中に目標を設定し、それに向け着実な努力を積み上げていくのです
 仮に目標に近づくことで人間として成長しても、もしかするとまた次の過程でまた別の悩みが発生するかもしれません。その時はまたその課題に向かい、自らの目指すべき道を模索し前進するのです。
かくいう私もまだまだ修行中の身。この課題と解決策を日々試行錯誤しながら向き合う日々です。
皆さまも今回の情報をご参考に日々暮らしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

僧侶だけでは妻子を養えず投資をしています。MARCH院卒→JTC→僧侶。
遊びと浪費と借金の20代→貯金ほぼ0の30歳→10年で投資用資産2千万円台!家計合算の総資産約4千万円。最新の高配当中心の日本株年間配当額は約67万円。良い時は驕らず、悪い時は腐らず。生きる上で大切なことは投資から学びました。

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